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The オサ掘り〜越冬する生物リターンズ〜

さて、質問です。
下の写真の学生たちは何をしているのでしょう?
って、ブログタイトル見たらバレバレですが、夢中になってオサ掘りしているところ、が正解です。



















ぢゃ、
オサ掘りとはemojiemotion01

出だしから力が入りまくりですが、「オサムシ掘り」を縮めて オサ掘り と呼びます。オサムシは捕食性の甲虫の仲間で、かの有名な手塚治虫が大好きだったことで有名です。なんせ治虫=オサムシですから...

オサムシの仲間は、大きな博物館で「地上の宝石たち」と銘打った企画展が開催されたりします。
そう、美しいのです。
いわゆる美麗種と呼ばれる種類は、色とりどりのメタリックカラーでほんとの宝石のようにきらきらしていますよ。

というわけで、この虫を愛でる人(マニア)はけっこういるのです。法隆寺にある国宝の玉虫厨子はタマムシの羽を使っていますが、つい治虫厨子がもしあったらと思ってしまうのは...注:私は虫マニアではありません。

オサムシの仲間の多くは、越冬するために朽木の中にもぐりこみます。オサムシマニアに会ってみたい場合は、初冬や春先にシャベルやピッケルを持って公園や山の中を歩いている人を探しましょう。

前ふりが長くなりましたが、後期のフィールド観察の授業では、2週続けて越冬する生物探しを行ないました。先週と場所をかえて、今回は倒木や立ち枯れ木の多い学校の演習林です。

オサ掘りは朽木採集の範疇に入り、オサムシ以外にも多くの生物をゲットすることができます。逆を言えば、一見邪魔に見えなくもない朽木ですが、様々な生物の大切な住み場所であることがわかります。

わかるといっても経験重視のI-nac。虫やその他無脊椎チックな生物が苦手な人には申し訳ないですが、小雨まじりの寒い中、みなさん頑張りました。その成果を一部ご紹介します。

土の中からモリアオガエル(新潟県の準絶滅危惧種!)


朽木の中にはミミズもいるんです!


ハエもいるんです!


樹上2m付近の樹皮をめくるとドングリが!

カケスかヒメネズミが冬の食料として隠したもので、貯食と呼ばれる行動です。見つけた時は感動したなぁ。

木の根元を掘ったらドングリやクルミがざっくざく!

これも貯食用に動物が運んで隠したものです。
このクルミ(正確にはオニグルミ)の食べ方はネズミですね。リスはぱっかり2つに割って食べます。ちなみにドングリから根がでているのは要チェックですよ(生態学的な解説はまたの機会に)

ちょっとわかりづらいですが、ヒメネズミの巣を発見!!
(白フタの小瓶が置いてあるところが巣)

倒木をめくったら、弾丸のように飛び出す小さい陰が。
冬も活動するヒメネズミですが、倒木の下に落ち葉をふとんにした巣を作るとは..しばし興奮の余韻にひたっていると、尻尾の長いネズミがちょろちょろ動いています。巣から追い出してめんご。

生木のうろにはトゲアリが!

名のごとく、背中に大きなトゲを持っています。強烈な蟻酸をしりから出すのですが、寒いせいか大丈夫でした。卒論をアリでやると決めている学生が前から探していたものです。やったぜ、コウ

ナメコもありましたemojiface01


しっかりいただきました..


ひとまずこれにて。
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