妙高で出会える花

最近は全国的に雨の日が多いようだ。なかなか梅雨明けしない新潟県の妙高でも、シトシト雨が降っている。i-nacはいちおう夏休みに入っており、(今も実習やインターンシップがあって、お休みではない学生も多いが…)学校内はとても静かで数人クライミングに興じている学生が見られるだけ。

こんな雨の中、登山に行ってみるのも悪くない。頂上を目指してごりごり登ったところで、展望は期待できないので、それよりはちょっとした自然観察を兼ねて山に入る方が楽しい。

下の画像は、どちらもユリ科の植物である“クルマユリ”と“エンレイソウ”で、野生生物保全学科の実習時に学生が撮影したものだ。
  

鮮やかなオレンジ色で、7月の妙高・火打の登山道では目立つ存在のクルマユリに比べると、ジメジメと湿り気が多い林の中に咲くエンレイソウは、同じユリ科とは思えないほど地味な存在である。

このエンレイソウには、大きな葉の上にちょこんとのっかっている黒っぽい花が見られ、よく見るとかなり個性的なかたちをしているのだけど、聞くところによると種を落としてから花が咲くまで15年もかかるそうだ。

妙高では毎年あたりまえのように高山植物が咲きみだれ、登山でも美しい花をついつい見逃してしまうのだが、雨の日にゆっくり歩きながら観察すると、ちょっと感動する瞬間があったりする。

エンレイソウのように、暗いところにひっそりと咲いている花にも、ものすごいエネルギーがあって、人を癒すチカラを持っていたりする。静かな山行で、自然と触れあう中で、いろんな出会いがあることも登山の大きな魅力なのだと思う。
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